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高速光子検出装置

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物理法則を利用して盗聴を確実に防げる可能性のある量子暗号ですが、その大きなネックの一つは、通信速度が遅いことです。

2章で述べたように、やりとりするのはデータ自体ではなく暗号鍵なので、それでも構わない面もあるのですが、やはりより高い安全性を狙うには、鍵自体をある程度長くする必要があり、またそれを頻繁に(できれば毎回)やりとりする必要もあるので、高速であるに越したことはないのです。

産業技術総合研究所(独立行政法人)光技術研究部門は2004年5月12日、一般的な通信波長である1.55μmに対する世界最速の光子検出装置を開発したと発表しました。

通信距離は10.5kmと短めではありますが、毎秒45kビットという鍵生成率を得ています。

従来の光子検出装置では、ガイガーモードと呼ばれるなだれ電流増幅を利用した光子検出法が用いられていました。

これはアバランシェフォトダイオードという内部電流増幅機構が備わった光電素子を用い、光子がひきがねとなって生じるいわば電子の山の崩れを検出するものです。

この場合、アフターパルスと呼ばれる雑音が繰り返し生じるので、1MHzを超えるような繰り返し動作が困難となっていました。

今回の新しい検出法が、なだれ電流増幅以外のどういうメカニズムによるものなのかは、残念ながらプレスリリースでは示されていません。

産業技術総合研究所では通信距離を100km程度に延長し、10MHz以上で動作する光子検出装置を開発することを狙っています。

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