単一光子発生の鍵となる量子ドット
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数学的側面に注目したモデル化を離れ、再び物理的な話に戻ります。
個々の光子に対し、共に確定させることのできない2つの物理量がある、ということが、これまでに述べた量子暗号の仕組みの本質でした。
通常の光通信のように、複数の光子を使ってはこうはいかないのです。
あくまで1つの光子を使うことが重要なのです。
こういった単一光子の発生の鍵となるのが量子ドットです。
これは人工原子と表現されることもありますが、単純化して言えば半導体の中に入れた一辺が10nm程度の3次元的な箱のようなイメージです。
一辺が10nm程度というのは、それによって一つ一つの電子同士の斥力が非常に大きな意味を持ってくる程度のサイズです。
電子は一般に、トンネル効果により絶縁体を通り抜ける性質を持つのですが、10nmをある程度下回るサイズの中に、複数の電子を入れるためのエネルギーは、きわめて大きくなります。
そこまでいかなくても、サイズとエネルギーをコントロールすることにより、電子の振る舞いをかなりの程度まで規定することが可能となるのです。
量子ドットの作成には、大きく分けて、波長の短い電子線の微細加工技術を使うものと、結晶成長機構を利用して自己形成させるものとがあり、より微細なものを実現するために後者が特に注目されています。
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